| 住所 | 158-8510 東京都世田谷区上野毛3-9-25 |
| お問い合わせ | 050-5541-8600(ハローダイヤル)/03-3703-0661(テープ案内) |
五島美術館について
沿革
五島美術館は、昭和35年(1960)4月18日に私立(財団法人)の美術館として、東京都世田谷区上野毛(かみのげ)に開館しました。美術館設立の構想は、東急グループの礎を築いた五島慶太(ごとうけいた 1882-1959)によるものです。
慶太翁は鉄道事業のかたわら、半生をかけて古写経をはじめとする貴重な美術品の数々を蒐集しました。自らの所蔵品を広く公開する美術館の設立は慶太翁の宿願であり、精力的にその準備を進めていきましたが、開館を目前にして完成した姿を目にすることなく世を去りました。

五島慶太(1882-1959)
この美術館設立を機に、東京都目黒区にあった大東急記念文庫が五島美術館の建物内に移転しました。同文庫は昭和23年(1948)に当時の東京急行電鉄株式会社を東京急行電鉄・京浜急行電鉄・京王帝都電鉄・小田急電鉄・東横百貨店の五社に分離・再編成する記念事業として企図され、昭和24年(1949)4月20日に開庫したもので、慶太翁が一括購入した久原文庫と井上通泰氏の蔵書を発足時の根幹としています。以後現在にいたるまで、研究者を対象とした閲覧公開などの教育・研究活動を続けています。

東京・上目黒にあった「大東急記念文庫」の書庫
開館後の五島美術館は、大東急記念文庫とともに数々の名品を所蔵する文化施設として展覧会を中心に幅広い活動を展開してきました。平成22年(2010)には開館50周年を迎え、これを記念して本館建物を改修いたしました。また平成23年3月1日、五島美術館と大東急記念文庫は合併し、翌24年4月1日からは公益財団法人として認定を受け、次の半世紀へ向けて新たな装いで歩みをはじめています。


展覧会
五島美術館では、展覧会を年間6~7回、そのうち特別展を1~2回程度開催しています。展示品は展覧会毎に替わり、春と秋に開催する名品展では、五島美術館と大東急記念文庫のコレクションから各分野の代表作品を紹介しています。特に国宝「源氏物語絵巻」は毎年春に、国宝「紫式部日記絵巻」は秋に、それぞれ1週間程度公開しています。他に、所蔵品による絵画、書跡、茶道具、陶磁器、古鏡、刀剣、文房具などを分野別に展示した展覧会を開催しています。また、特別展では最新の研究を反映して所蔵品以外の作品も紹介し、毎回特色あるテーマを企画しています。

展示室1

展示室2
活動
五島美術館では、美術のより深い鑑賞のために、展覧会毎に講演会やギャラリートークを随時開催しています。さらに、教育普及活動の一環として二つの「友の会」(「美の友会」・「茶の友会」)を設置しています。それぞれ一年間有効の定期入館証を発行し、陶芸教室をはじめ「美の友会」向けの月例美術講座、「茶の友会」向けの春季・秋季茶会などを開催しています。
その他、ミュージアムショップでは、展覧会カタログや名品図録、美術を身近に楽しめる絵葉書やステーショナリー、小物類などの各種ミュージアムグッズを制作販売しています。
大東急記念文庫は、特殊文庫であり、一般に向けた蔵書の公開はしておりませんが、研究者を対象として日本・東洋の古典籍を閲覧に供するほか、機関誌『かがみ』や学術書の刊行、公開講座の開講など教育・研究活動を行っています。
集会室
ミュージアムショップ
建物・庭園
建物(本館)は、和様空間の案出に秀でた芸術院会員・吉田五十八(よしだいそや 1894-1974)が設計しました。王朝貴族の建築様式である寝殿造の意匠を随所に取り入れた建物は、近代建築史における貴重な建造物として注目されています。昭和36年(1961)には第二回建築業協会賞を受賞しました。それから約半世紀を経た平成24年(2012)、開館当初の姿を可能な限り留めながら館内設備を刷新し、展示室を増設するなど大規模な改修を果たしました。2013年度グッドデザイン賞(グッドデザイン・ベスト100)を受賞しています。






本館正面
敷地は庭園を含めると約6000坪。武蔵野の雑木林が多摩川に向って深く傾斜する庭園には、「大日如来」や「六地蔵」など伊豆や長野の鉄道事業の際に引き取った石仏が点在し、ツツジ、枝垂桜など、季節ごとに多彩な花を咲かせます。散策路には明治時代に建てられた茶室「古経楼」(こきょうろう)や、慶太翁が古材を使用して作らせた立礼席の茶室「冨士見亭」<共に非公開>があり、これらは様々な茶会に利用されています。この2つの茶室は五島美術館本館と共に、平成29年(2017)10月27日付をもって国の登録有形文化財(建造物)になりました。






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